健全な企業活動を続けられることが理想ですが、残念ながら、役員や従業員による不正、不祥事が発覚することは少なくありません。
また、単なるモラルの問題にとどまらず、業務上横領などの刑事事件に発展することもあります。
このような事態が生じた際には企業としてどのように対応するかという問題に直面しますが、民事と刑事の双方を検討しなければならない他、労働関係をどう処理するかということも考えなければなりません。
現在では、個人情報を取り扱うすべての事業者が、個人情報保護法による規制の対象とされています。
個人情報の取得や管理、利用、第三者への提供などのそれぞれの場面において個人情報保護法等の法令を遵守しなければなりません。
法令違反が一度発覚すれば、企業に対する信用が失墜する恐れがあるため、普段の業務から個人情報保護法等の法令に注意する必要があります。
また、個人情報保護法は改正が繰り返されていることから、法改正への対応も求められます。
グローバル化やIT化が進む昨今において、国際取引や海外進出をすることは珍しくありません。
海外企業と提携することにより販路拡大やコスト削減など、企業が大きなメリットを得られることがあります。
他方で、例えば、相手から提示された契約書をそのまま受け入れた結果、想定外の損失を被ることになるということもあります。
国際取引において紛争が生じれば、解決するためには多大な負担を伴うことになりかねません。
したがって、海外企業との間で取引や提携をする際には、国内取引以上に契約書の作成などには慎重にならなければなりません。
国際取引や海外進出においては、ビジネス上のメリットだけに囚われるのではなく、法的観点からのチェックが必須といえるでしょう。
①従業員などの刑事事件や不正が発覚した場合、企業には適切な対応が求められますが、弁護士は民事上及び刑事上の対応をすることができる他、労働関係についてのアドバイスや対応をすることもできます。
また、企業が第三者から損害賠償責任を問われる事態に発展した場合などにおいても、弁護士は企業の代理人として第三者との交渉や訴訟に対応することもできます。
②個人情報の取り扱いにおいては、法令に関する知識や理解が必要となりますが、個人情報保護法で定められている内容や複雑かつ緻密であり、理解するのは容易ではありません。
弁護士へ相談することにより、その企業における状況を踏まえた個人情報保護法上のアドバイスを受けることができます。
また、個人情報の関係で不祥事やトラブルが生じた際に対応を依頼することもできます。
③国際取引や海外進出において、コミュニケーションや慣習に注意することは多いと思われますが、法律上の観点から契約書のチェックなどをすることも極めて重要といえます。
日本社会では慣習や互いの信頼が取引において大事にされることがありますが、国際取引においては契約書の内容がまず重要になります。
相手企業から提示された契約書をそのまま受け入れたり、安易に雛形を用いたりするのではなく、弁護士のリーガルチェックにより契約書の内容を把握し、法律上のリスクを確認することが重要です。
また、国際取引において紛争が生じた場合には、どのような解決手段を検討するべきなのか、落とし所をどのように考えるべきなのかなどについて、弁護士と共に検討、対応していくことになります。