日本の中小企業では、法務部などの法律問題に対応するための専門的な部署が設置されていることは多くありません。
中小企業においては法務があまり重視されていないというのが現状かもしれません。
しかしながら、法律問題の対応を後回しにすれば、企業が思わぬ大きな不利益を被る可能性があります。
典型的には以下のような事態が考えられます。

1. 法的トラブルが生じた際に適切な対応の仕方がわからず、混乱する。
2. 法律問題に振り回されてしまい、事業に集中できなくなる。
3. 法律問題の放置や不適切な対応により、問題や紛争が一層大きくなる。

法的トラブルや紛争が大きくなれば、企業は想像以上の手間や時間、費用をかけなければならなくなります。
また、法律問題が顕在化していなくとも、契約書や利用規約の作成、従業員の労務管理など、法律を踏まえて対応しなければならない業務は数多くあります。
そこで、中小企業がこれらの対応を専門家に任せたり、専門家に相談できるようにするため、弁護士と顧問契約を締結することが考えられます。

「顧問弁護士」という言葉を聞いたことがある方は多いと思います。
顧問弁護士とは、その企業と顧問契約を締結している弁護士のことをいいます。
弁護士との顧問契約とは、一定の顧問料を弁護士に定期的に支払うことにより、弁護士にその会社の顧問になってもらうことをいいます。

法律の専門家である顧問弁護士に法律問題の対応を任せることにより、会社は安心して事業に集中することができます。
また、会社の顧問弁護士の存在を対外的に示すことにより、取引先などからの信頼を得られる他、会社への不当な行為を企むような相手方に対しては一種の牽制効果も期待できます。
そして、法務部などの専門部署を新たに作ることに比べれば、コストは格段に小さくなります。