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企業法務コラム

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製造業において想定される法的リスクやトラブル

2025.10.24

製品の欠陥などによるトラブル

製造業者特有の法的リスクの代表的なものとして、製造物の欠陥によるトラブルが考えられます。

製造物の欠陥に関する損害賠償責任を定めた法律として、製造物責任法(P L法)があります。

損害賠償責任については民法にも規定がありますが、製造物責任について特に定めた法律として製造物責任法(P L法)があります。

一般的に、他者に対して損害賠償請求をする場合には、相手方に過失(又は故意)があることを立証しなければなりませんが、製造物責任については、製造物責任法(P L法)により過失の立証が不要とされています。

したがって、製造物に欠陥があれば製造業者は責任を問われる可能性が高くなり、製造業者はこのようなリスクに十分に備えなくてはなりません。

損害賠償のリスクに備え、PL保険への加入を検討することも一つの対策と思われます。

また、製造過程でのミスだけでなく、従業員による意図的なコンプライアンス違反により製造物の欠陥が生じることもあるため、このようなコンプライアンス違反を早期に発見するために、従業員が利用することのできる内部通報窓口を設けることも考えられます。

内部通報窓口の実効性を高めるために、外部の弁護士などへ窓口運営を委託する方法も効果的と言えるでしょう。

製品の欠陥によるトラブルの他、製品の商標権や意匠権、特許権などの知的財産権についても配慮する必要があります。

自社の製品の知的財産権を確保することは当然ながら重要ですが、他社の製品の知的財産権を侵害しないかどうかにも注意する必要があります。

 

取引先とのトラブル

製造業者は製造の過程において様々な取引先と連携しています。

もっとも、従来の慣行もあり、各取引先との契約書を取り交わしておらず、注文書や請求書のやりとりのみで済ませているということが多く見られます。

しかしながら、仕入品の不具合などのトラブルが生じた場合、契約書が無ければ思わぬ大きな紛争に発展する恐れがあります。

したがって、契約書の作成が重要となりますが、取引内容自体のみならず、秘密保持や競業避止に関する契約書の取り交わしを検討すべき場合もあります。

例えば、取引先との間で企業秘密を一部共有することとなる場合も多いと思われますが、その場合も秘密保持契約の締結などの対策がされていなければ、企業秘密が漏洩してしまう事態が生じかねません。

また、他社からの下請で製造業務を行うことも考えられますが、元請業者の対応が不当なものである場合、下請法違反などが無いかどうかを確認する必要があります。

さらに、昨今では国際市場へ進出する中小企業も増加していると思われますが、他国における法規制の確認や国外企業との契約内容のチェックなど、国内におけるマーケット拡大よりも十分な予防法務が重要となります。

この場合、前述の製造物責任の内容も国内よりもさらにリスクの大きいものとなる恐れがあるため、この点の確認や対策も必要となります。

 

労災事故や労務管理のトラブル

他の業種と比較し、製造業は労災事故が多く発生する業種といえます。

普段から労働安全衛生法などで規定される体制を整えることが必要となりますが、体制を整えていたとしても労災事故が発生してしまうことがあります。

その場合、労働基準監督署への報告や、労災保険による労働者救済の対応が必要となりますが、労災保険では補償されない慰謝料などの損害について、会社が労働者から損害賠償請求を受けるリスクがあります。

損害賠償発生の根拠は、会社の労働者に対する安全配慮義務違反があったことが中心となるため、普段からこの点に注意する必要があります。

また、昨今では、パワーハラスメントやセクシャルハラスメントにより労働者がメンタルヘルスの不調を訴え、これを放置したことにより、この点の会社の安全配慮義務違反が問われる事例も多く生じています。

さらに、外国人雇用に力を入れている製造業者も増えてきていると思われますが、その場合も労務管理に注意する必要がある他、外国人労働者特有の問題として在留資格への配慮(従事できる仕事内容の確認等)も必要となります。


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